玉置浩二や高橋真梨子は…コンサートから透ける歌手の葛藤
もっともチケットが取りにくい高橋もしかり。沢田と歌謡界で同時期に活動していた高橋はペドロ&カプリシャスの2代目ボーカルとして注目された。その後ソロとして「桃色吐息」などヒット曲を連発したが、テレビの露出は厳選した歌番組しか出ずにやはりコンサートが中心。「紅白」も「大晦日に拘束されたくない」と一時は拒否した時代もあったが、最近は毎年出場。紅組のトリも務める。
NHK関係者によれば、「沢田は昔の曲を歌いたくないのが出演拒否理由ですが、高橋は理解を示している。中高年は高橋のヒット曲を聴きたい人ばかり。視聴率のためにも紅白に絶対欠かせない歌手です」という。
コンサートでも高橋なりの工夫がある。自身のヒット曲だけでなく、昭和の男性歌手のヒット曲をアレンジ。沢田のヒット曲も玉置の名曲も歌い、CD化までしている。
「高橋は歌手として今の自分の立場をわかっているから、アリーナなど無理せず中ぐらいの会場。歌の選曲も含め常にお客さんが満足してもらえる構成」(音楽関係者)
歌手がファンのニーズに合わせるか、ファンが歌手に合わせるのか――。
スター歌手のプライドと意地の葛藤が垣間見られる。