ヒロシさん<2>半年で保険会社を退職…上京2年目でホストに
大学卒業後、親が探してきた保険会社で営業として働いた。もっとも“人見知り”のヒロシさんにとって、知らない人に電話したり、訪問したりするストレスは大きく、毎朝、頭痛に悩まされるようになった。
「僕の性格に合わない職種だったから、行きたくない気持ちもあって、頭がガンガンしたんです。休みの日は体調は悪くない。この状況はよくないなあ~と思って、1カ月で辞めようと決めました。最初の給与が振り込まれた翌朝から、連絡もせずに行かなくなったんです」
立派な無断欠勤だ。すると支店長が家まで来て、「もう少し頑張れ。契約も取ってないんだから、辞めるなら取ってからだ」と活を入れられた。
「それで仕方なく半年やりました。契約も取りましたよ。といっても相手はいとことか親などの身内です。それまで入っていた保険会社を変更させただけでした」
この半年の間に、福岡吉本が主催するお笑いオーディションの番組に応募した。
「結果は落ちましたが、『やりたい』って言ってチャンスをもらい、事務所に入りました。それで会社員生活を終わらせたんです。事務所には3年いましたが、芸人としての月給はマックスでも1万いくらなんで、バイトしないと生きていけない。これは東京に来ても同じで、2004年に『ヒロシです』のネタで売れるまでは、お笑いの収入はほとんどありませんでした」