殺人的な寒さ 新国立競技場お披露目で分かった“3つの欠陥”
国立を巡っては、五輪後も収益を上げるためにイベントやコンサートなどを実施する運営案が検討されてきた。しかし、冬場の風が吹きすさぶコンサート会場は殺人的。どれだけの観客が足を運ぶのかは不透明だ。
■配管むき出しの天井と鳥の糞まみれの“憩いの場”
加えて、問題は寒さだけじゃない。観客席までのコンコースの天井に目を向けると、鉄筋や配管がむき出し。「ローコストでメンテナンスがしやすい」(高橋武男総括役)との理由だが、「自然との調和」をコンセプトにしている割には、場内外にふんだんに使われている木材との調和は取れていない。
さらに、市民の憩いの場として造られたスタジアム5階の「空の杜」には、頭上の「大庇」に鳥よけの網が設置されていないせいで、鳥の糞が大量に落ちている箇所が散見された。もし鳥が巣を作ってしまったら、「空の杜」が「糞の杜」になること必至だ。
寒さや設備の課題を残して「完成」したナショナルスタジアム。スポーツ庁の鈴木大地長官は竣工式終了後に400メートルトラックを完走して大ハシャギだった。国立が“負のレガシー”にまっしぐらになっていることなど、頭にないのか。