わが長男「甲子園」命名までの内なる壮絶ドラマ?
しかし、人生というのはこれがなかなか順風満帆にはいかないもので……思わぬところから(まぁ当然かなあ?)横やりが入ったのだ。ママリンの母親が「実さん(俺の本名)、阪神の大ファンなのはわかってますけど、産まれたこの子もいずれ大人に成長していくわけですから、甲子園というのはどうかと私は思うんですが……もう少しホラ、一般的というか、普遍的というか、ネチネチネチ……」。ガーン!!我が家に明智光秀の本能寺の変が出たー!! いや、どこか周囲から反対意見もあろうかと少しは思ってはいたけど、ウ~ン、身内から出たかァ!?
しかし、俺はもちろんママリンも甲子園だけは譲れない!! 一方、あちらも、「どうか甲子園を考え直してもらえないか」とお互い一歩も引かないままに出生届の一応の時限と思われる2週間がジワジワと迫ってきたのだった……。
「窮鼠猫を噛む」。追い詰められた俺はついに大勝負に出たのだ! 「お母さん、じゃ甲子園以外ならいいのですね?」「そうね、甲子園だけはちょっとねえ……」「わかりました、実は俺は阪神以外にもうひとつ、マラソンが好きなんです。だからイカンガーという名にしようと思います」。イカンガーはタンザニアの黒人ランナーで東京国際マラソンや福岡国際マラソンなどで優勝し、日本マラソン陣を怯えさせるランナーであった。
勝負は一瞬にしてついた。「実さん、甲子園にしましょう!!」。こうして我が子・甲子園は誕生したのであった。
(つづく)