「アルゴ」ゴーンの逃走が映画になったらこんな雰囲気に
2012年 ベン・アフレック監督
新年早々、カルロス・ゴーンの逃走劇と米国VSイランの攻撃で大騒ぎだ。そこで思い出したのが本作。第85回アカデミー賞作品賞に輝いた。イランの米国大使館占拠の実話を基にしている。
79年2月、イランでは反政府勢力がパーレビ国王を放逐。米国が国王を亡命させたため、怒ったイラン民衆がテヘランの米国大使館に乱入し、館員52人を人質に取った。実はこのとき、6人の館員が近くのカナダ大使私邸に逃げ込んだ。もし、イラン側が気づいたら全員が公開処刑されると米国政府は危機感を強め、CIAのメンデス(ベン・アフレック)に救出を要請。彼が考えたのは、カナダ人の映画スタッフになりすまして「アルゴ」という架空のSF映画を撮影する名目でイランに潜入、6人に映画監督や脚本家を演じさせて脱出するという荒唐無稽な作戦だった。
6人が大使私邸に隠れたのも、映画ごっこでイラン政府をだましたのも事実。当時、大使館の人質がクリスマスを祝う映像がテレビで流れた。案外のんびりしたものだと思ったが、カナダ大使館では細心の注意で6人をかくまっていた。