著者のコラム一覧
板坂康弘作家

東京都出身。週刊誌ライターを経て、阿佐田哲也、小島武夫が結成した「麻雀新撰組」に加わり、1972年創刊「近代麻雀」の初代編集長。小説CLUB新人賞を受賞して作家デビュー、著書多数、競輪評論でも活躍。

<1>麻雀で始まり競輪場で終わった18年の付き合い

公開日: 更新日:

 阿佐田哲也さんと初めて会ったのは、麻雀卓を挟んでだった。エンターテインメントとして、令和の今も高い支持を受けている「麻雀放浪記」を、週刊大衆に連載中だった。

 大きな体を傾け、ぼそっと言った。

「阿佐田です。妙なことになっちまって」

 彼に付き添ってきた週刊大衆の編集者が、

「先生は純文学志向で、本名の色川武大で中央公論の新人賞をいただいてます」

 と、言葉を添えた。

 人生に意外性はつきものである。肩の力を抜いて書いた麻雀小説がヒットした。週刊誌の部数が伸び、編集部は明るい。狙った路線でなくても、こうなれば執筆を続けなくてはならない。

 照れる気持ちもあって「妙なこと」と、阿佐田さんは言ったのである。

 先輩作家で、ベストセラー「小説 兜町」で世に出た清水一行さんと阿佐田さんが初めて会うことになり、料亭の一室に麻雀卓が用意してあった。清水さんも雀豪で、「麻雀放浪記」の作者との手合わせを望んだからだ。

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