ハワイ新婚旅行に同行取材 飛行機は百恵&友和の隣だった
ホノルル到着出口で確実にタイムロスが生まれる。到着後の取材もできない。とっさにファーストに変更。幸い、かろうじて1席空いていたが、正直焦った。ハワイも初ならファーストも初。それだけでも緊張するのに、さらなるプレッシャーが待っていた。
飛行機はPANAM。CAも客も外国人。日本人は百恵・友和だけ。おまけに案内された席が2人と通路を挟んだ隣。「しめた」というより「しまった」という気持ちが強かった。横を向けば友和の横顔が間近に見える距離。緊張で体が固まるようだった。こんなに近くでなくともよかったが、座った以上、取材をかけるのが記者の仕事。食事が終わり消灯に入る前に友和に声をかけた。案の定、「すみません。機内は遠慮してください」と断られたが、明らかに不快そうな顔だった。
とっくに「記者」と気づいていたのだろう。残るは2人の会話を聞くこと。寝たふりしながら耳を澄ませた。2人も心得たもの。耳元で時折、話すだけでまったく話は聞き取れなかった。
結局、一睡もできずにホノルル空港に到着。まるで2人を誘導するように空港ロビーに出てくる優越感も束の間、「機内で何か取材してきたようだ」と他社からは疑心暗鬼の目を向けられた。実は何もなかったとも言えず、ゴマカすしかなかった。
先駆けは失敗。後はハワイでの熾烈な取材合戦で取り返すしかないと、気を引き締めていた。百恵と友和が空港を後にすると、同行マネジャーに報道陣が集められた。そこで思いがけない要請が伝えられた。 (つづく)