<4>記憶に残る負けがある「麻雀名人戦」第2期の美しい牌譜
初牌から「白」をポンする。いきなり辺「七筒」をチーするから首をかしげると、これが「東」の先付け。
見慣れた格調高い阿佐田麻雀ではなく、トップ狙いの雀荘麻雀。途中で、ハタと気が付いた。競輪で沈んで軍資金が乏しく、勝ちにこだわる麻雀を打ってるらしい。
「それならそうと、言ってくれよ」
私は納得した気持ちになり、2回目のラスを引いたところでギブアップ、終わりにした。
「麻雀放浪記」に描かれた雀ゴロの世界は阿佐田さんの実体験で、こしらえものではなかった。バクチ麻雀だって、その気になれば打てる。