1981年「フォーカス」創刊 個性が豊かな週刊誌カメラマン
「週刊誌、見てきたような嘘を書き」
そんな造語が生まれた昭和。各記者が自身のネットワークを駆使して集めた情報をもとに取材しても、当時の女性誌は機動力に欠けていた。どんなに事実であっても写真はない。証言のみで記事にすることも少なくなかった。
「嘘ばかり」と女優から非難されることもあった。やはり10の証言より1の写真のほうが信憑性は高い。そこで生まれたのが写真誌だった。
1981年、新潮社から「フォーカス」が創刊された。政界・社会・芸能界まで見開きで見せる衝撃的な写真は、新たな報道のあり方を提示するものだった。ロッキード事件公判の被告だった田中角栄を法廷内で隠し撮り。神戸連続児童殺傷事件では未成年の少年の顔写真をボカシなしで掲載。大きな波紋を呼んだ。
大手出版社も続々参戦。「フライデー」(講談社)、「タッチ」(小学館)、「エンマ」(文芸春秋)、「フラッシュ」(光文社)とピーク時には5誌になった。
写真誌は、写真なくして記事は成立しない。各誌とも専属カメラマンを確保。奇麗な写真よりも決定的な写真が求められた。