1981年「フォーカス」創刊 個性が豊かな週刊誌カメラマン
■張り込みが趣味、曲芸師、のぞき専門…
カメラマンも個性豊か。「戦争」「暴動」となれば自ら名乗りを上げる血気盛んなカメラマン。張り込みが趣味のような人もいた。バイクに乗ったまま両手を離してシャッターを切れる曲芸師みたいなカメラマンもいれば、カバンや紙袋にカメラを仕込み、気が付かれることなく隠し撮り。なぜか無線盗聴にたけたカメラマンもいた。
親交のあったY氏はユニークなカメラマンだった。「通信社の社員カメラマンでしたが、担当が国会と皇室。毎日、スーツを着て定位置で写真を撮るだけ。退屈でした。もっと別なものを撮りたい」と退社。「なにか特技がないとフリーでやっていけない」と百八十度違う、のぞきカメラマンに転身した。
眼鏡をかけ、のぞきとは縁のない真面目そうなタイプ。きっかけは知人に教えられたのぞきの世界。当時、新宿など都内の公園はアベック天国。ベンチや芝生でお楽しみになる人がいた。それをこっそり見るのが通称「のぞき屋」と呼ばれる人。プロののぞき屋にはルールがあった。