深作欣二監督作「復活の日」40年ぶりリバイバル上映の意義
多くの映画館が営業を再開してうれしいが、強力な新作がまだ登場していない。だから、どこも苦しい興行が続いている。旧作も多い。番組が埋められないからだ。ただ映画ファンにとってはもう一度、あるいは初めて映画館で見てみたい作品も結構目立つ。その1本が、小松左京原作、角川春樹製作、深作欣二監督の「復活の日」だ。
東京放送(TBS)も製作に入っているが、いわゆる旧・角川映画である。筆者は映画館が再開された暁には真っ先に見に行こうと思っていた。最初に見たのは、公開年の1980年。何と40年ぶりの鑑賞だ。
今回、はっきり言えばショックを受けた。40年前にこの壮大なスケール、深遠なテーマをもつ日本映画があったということに明快なショックがあり、体中に電撃のような稲妻が通り過ぎた。決して、オーバーではない。本作は軍事用を視野に入れて開発されたウイルスが、あるアクシデントから世界中に広がり、地球が滅亡寸前になるさまを描く。この話の展開が新型コロナウイルスの現在の拡大状況と重なって感染の早い時期から作品の予見性、先駆性が話題になった。