銭ゲバ男が好奇心から巻き込まれた命からがらの「ゲーム」
ゲーム(1997年 デヴィッド・フィンチャー監督)
「サービスデザイン推進協議会」の事務所の一件は面白かった。当初はテレワークという理由で事務所が閉じられていたが、野党議員が視察に訪れた日は数人が働いていた。ところが翌日はガードマンがいるだけで、またも閉鎖中。どう見ても「幽霊法人」だ。この詐欺めいた光景から本作を思い出した。
父の財産を受け継いだ投資家のニコラス(マイケル・ダグラス)は48歳の誕生日に弟のコンラッド(ショーン・ペン)から「CRS」という会社の紹介状をプレゼントされる。すごい体験ができるというのだ。彼は偶然知り合った紳士から「CRSは素晴らしい体験だった」と聞いて興味を抱き、同社の審査を受ける。
そんなおり、自邸の玄関先でピエロの人形を発見。居間でチェックするとピエロの口から一本の鍵が出てくる。さらにテレビのキャスターが語りかけてくる。レストランではウェートレスに飲み物をかけられ、ウェーターから渡されたメッセージは「彼女を逃がすな」。ウェートレスとともに警察犬に追われ、正体不明の男たちに銃撃されるなど命からがらのゲームに付きまとわれる。