明石家さんまの「話術」は生舞台でも編集後のような完成度
お笑い怪獣・明石家さんまさんといえば、私は2015年のオール阪神・巨人さん「コンビ結成40周年」東京公演にゲスト出演された時の姿が忘れられません。
当時、私はオール阪神・巨人さんの漫才作家として構成を担当していました。さんまさんと3人のトークの後、20分ほどの阪神巨人さんの歌のステージ、最後にメインの阪神巨人の長尺漫才という流れでした。さんまさんは出番が終わるとすぐに劇場を出ると伺っていましたが、記念の公演なので、ぜひともさんまさんに漫才の紹介をしていただきたいと思っていました。私から巨人さんに「さんまさんにお願いしてもらえませんか」というのも言いづらく、進行台本に「お時間が許すようでしたら、しばらくお待たせすることになりますが最後の漫才の紹介をお願いしたいと思います」という一文を添えると、マネジャーさんから「了解しました」というお返事。巨人さんの手を煩わせることなく、小躍りするぐらいうれしい気持ちでした。
トークコーナーはMCをブラマヨの小杉君に頼みましたが、さんまさんが自由自在に仕切り、主役の阪神巨人さんを立てながら、よどみなく50分弱の生舞台のトークが繰り広げられ、編集を終えたテレビ番組のような完成度。通常、テレビ番組はその何倍もの時間を収録し、編集で完璧なものに仕上げますが、生の舞台なのにカットなしの「完全版」でした。もちろん、阪神巨人さん、小杉君の返しが素晴らしかったのは言うまでもありませんが、さんまさんの展開力、アドリブ力には改めて驚かされました。