テーブルに台本を投げ出した桂文珍師匠が伝えたかったこと
芸歴50周年を迎える桂文珍師匠。2月末から3月にかけて記念の「国立劇場20日間独演会」を予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で一部の公演が中止になってしまいました。
2月にNGK(なんばグランド花月)の楽屋でお会いした時、「いよいよですね」とお声かけした私に「楽しみやね~!」と満面の笑みを浮かべておられたので残念でなりません。
師匠とはご縁があり、毎年8月8日にNGKで行われる「88文珍デー」の新作落語や、師匠がプロデュースされた「落語芝居」の脚本も書かせていただきました。
楽屋にご挨拶に伺うと「こんなん考えてんけど、どう思う?」と新作落語を誰よりも早く聞かせていただいたこともあります。私にとってはいろんなことを教えてくださる、優しい師匠ですが、仕事の面では非常に厳しい方です。
10年以上も前、NGKからお正月の生番組を放送中のことでした。私は阪神・巨人さんの漫才台本を担当していたため、楽屋ロビーで文珍師匠の隣に座ってお話をさせていただいていた時のこと。