国家の歴史を全く知らないから“危ない若い奴”が出てしまう
20世紀こそ「戦争の世紀」だ。先の世界大戦はドイツ、イタリア、日本も加わった枢軸国の侵略の野望を打ち砕かんと、英仏米ソ連中国など連合国が原爆まで使って殺し合い、世界で8500万人が犠牲になったという。人間は平和時に戦争を思い、戦争の時に平和を思い、それを繰り返してきた。そして為政者は誰も戦場に赴かないから反省しない。だからまた戦争を始めてしまう。
「戦争」を勉強中、戦争モノを片っ端からDVDで見直した。ユダヤ系ポーランド人のR・ポランスキー監督の「戦場のピアニスト」は何度見ても圧巻。恐ろしい。生きていることに感謝したくなった。ダリル・F・ザナック総指揮の「史上最大の作戦」(原題はザ・ロンゲストデー)も改めて圧倒された。ノルマンディー上陸敢行まで米英仏独軍それぞれの立場を描いた超大作だ。
G・ペックやアンソニー・クインがナチスに挑む難攻不落の「ナバロンの要塞」も優れた巨編。2人の共演で大戦前のスペイン内戦が舞台の「日曜日には鼠を殺せ」も久々に魅せられた。鬼才J・フランケンハイマー監督の巨費をかけた「大列車作戦」はパリのレジスタンスのナチス妨害工作の実話。本物の機関車がカメラ前で転覆する。くぎ付けだった。