師匠に「気を使え」と叱られた 最大の気遣いをしたのに…
夜、師匠がお客さまたちと会食を済ませ、帰る気配を察したら即座にタクシーを拾い(逆方向ならUターンしてもらう)店を出たタイミングで乗車できるようにする!! 交通量の少ない道なら全力疾走で大きな道路に走り、タクシーを止めるのですが、夜の都会の大きな道路を走るタクシーは手を挙げても無視することがあの当時は頻繁にあったので、そういう時には決死の覚悟で道路に飛び出し、両手を広げての強引な制止をして2回ほどはねられそうになったっけ……。名作「101回目のプロポーズ」の「ボクは死にましぇ~ん」を現実でやってんだからよく死ななかったものです。
そーやって息を切らせて師匠のところへ戻ると「おまえ、気を使え!!」「???」「ハアハアゼイゼイしてたら今まで気分よく飲み食いしてた俺が気にするだろ! それをさせないのを気遣いってんだよ!!」。いまだにあの言葉は忘れません……。翌朝の取材場所がわかりにくかったらコッソリ深夜に確認に行ったことだってあったんですよー! あの頃のことがその後の俺の人生に生きたんだか? 生きなかったんだか? そーいうことはもうどうでもいいような気がしています。
それよりも俺にとってかけがえのないことは立川談志と同じ空間にいて同じ時間を過ごした……その事実なのです……。 =つづく