武田氏は昇進か NHK看板キャスター異動の真相が見えてきた

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番組介入ではなく経営介入に戦々恐々

 有馬氏は身の振り方をどう考えているのだろう。「NW9」の前も「国際報道」「ニュースチェック11」とキャスターが長いが、本業は報道局の部長クラスの記者主幹だ。NHKを辞めて“解説芸”で引っ張りだこの池上彰氏、安倍晋三前首相に目をつけられて「NW9」を降板になったといわれた大越健介氏も記者主幹だった。

 ただ、フリーになっても、民放の情報番組の硬派コメンテーターは過剰気味なので、出演オファーは少ない。経済・金融政策が専門の有馬氏は、大越氏のようにNHKに残って、Nスぺなどの特番の制作やMCを担当することになるとみられている。

 もっとも、いまNHK上層部が首相官邸に戦々恐々となっているのは、番組介入ではなく、受信料値下げをめぐる経営介入だ。

「菅首相は施政方針演説で、月額で1割を超える受信料引き下げを宣言しました。首相が国会演説で引き下げ幅まで言及するのは極めて異例です。NHKはコロナ禍による減収を考えて、下げ幅は7%をやや超える程度と見積もっているのですが、菅首相は総務相の時に2割値下げを迫ったこともあります。引き下げ幅をめぐる攻防は、NHKが首相官邸から自立しているかどうかを見極める試金石です」(NHK政治部OB)

 前田晃伸NHK会長は政治嫌いで、はっきりとした物言いの元銀行マンだ。この駆け引き、ちょっと見ものである。

(コラムニスト・海原かみな)

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