高校時代は浪曲より吉田拓郎や森進一が好きで…
それにしても、高校生になって実の父親のレコードを聴くとは。因縁としか言いようがない。
「『瞼の母』とB面が『一本刀土俵入り』のレコードを友達から借りて、フォークギターで三味線のメロディーを弾きながら1週間で2席とも覚えてしもうた。友達にやってみせたら驚いて、『おまえ、凄いな。浪曲師になれや』と言うたんで、『なれるわけないやろ』と答えたもんです」
それが、どうして浪曲師になったのか。=つづく
(聞き手・吉川潮)
▽京山幸枝若(きょうやま・こうしわか)本名・福本一光。1954(昭和29)年、兵庫県姫路市出身。73(昭和48)年、父である初代京山幸枝若に弟子入りし福太郎を命名、父譲りの声節で若くして人気者に。2004(平成16)年、「2代目京山幸枝若」を襲名。代表作は「会津の小鉄シリーズ」「左甚五郎シリーズ」など。公益社団法人浪曲親友協会会長。