映画「キャラクター」で開眼 猟奇殺人犯を演じたFukaseの狂気
菅田将暉の主演映画「キャラクター」が6月11日の公開直後から、<展開がスムーズで怒涛の2時間であっという間><色んな意味ですごい映画だった><最初から最後まで面白い>と残虐な内容にも関わらず、ネット上を中心に高評価を得ている。
原案・脚本は、「20世紀少年」など数多くの浦沢直樹作品でストーリー共同制作者として携わって来た長崎尚志氏。漫画家を長年近くで見ていたからこその、リアルな漫画家の姿が今作に投影されていた。また、「帝一の國」(17年)、「恋は雨上がりのように」(18年)などを手掛けてきた永井聡監督が今回メガホンを取った。
■テンポ良く展開される残虐的ストーリー
ストーリーはおどろおどろしい。高い画力を持っているにも関わらず、いい人であるが故に"魅力的な悪人キャラクター"が書けず、デビューできない漫画家の山城(菅田将暉)が、ある日スケッチのために訪れた一軒家で殺人事件に遭遇し、殺人犯を目撃してしまうところから始まる。その後、山城は取調べを受けるが、警察に「犯人の顔は見ていない」と嘘をつく。その後、凄惨な殺人事件と犯人の顔をモチーフに「34」という漫画を書き上げ、作品は大ヒットとなる。しかし実際に「34」で描かれた殺人と全く同じ殺人事件が次々と発生していき、とうとう山城の目の前に殺人犯が現れ……という内容だ。目まぐるしく展開していくストーリーと、作中に感じた違和感がしっかりと回収されていく腹落ち感など、この映画の魅力的な部分はたくさんがあるが、今回最も話題を集めているのは今作が俳優デビューとなったFukase(SEKAI NO OWARI)の狂気的な演技だ。