デビュー35年の演歌歌手が業界の苦境を告白 コロナ禍でリリース1000タイトル割れ
演歌業界もコロナ禍にあえいでいる。ここ10年は年間1000タイトル以上のCDとカセットのリリースをキープしていたが、昨年は1000を割った。コンサートも軒並み中止になった。
「入っていた仕事が次々延期になったかと思えばそのうちキャンセルになっていきました。ほとんど仕事をしていませんでした」
こう話すのは「河内おとこ節」などのヒット曲がある演歌歌手の中村美律子さん(71)。河内音頭や浪曲をベースにした歌は、地元大阪で絶大な人気を誇る。
メジャーデビュー35周年の今年、8月に東京・中野サンプラザで記念コンサートを行う予定だ。
「お客さんの前で歌いたい、でも歌えないのでイライラもしました。何かやらなければという焦りから、オンライン配信にも挑戦しました。初めは拍手もないので戸惑いましたね。(昨年4月の)緊急事態宣言が明けて徐々に歌番組の収録に出ても、歌っているとき以外はフェースガードをしていましたし、新曲の打ち合わせやレコーディング、ジャケット撮影をしても、いろんな人と握手やハグができないのがつらかったです」