マスコミvs芸能事務所「弾けた」と記者のスマホに連絡が…息詰まる攻防がまた始まる
「いったい何なんだろうな、俺たちって」
自嘲気味に笑い、張り込み記者は言った。体を張って、渾身のスクープをものにしても、売り上げに結びつかない。記事はネットに吸収されてしまい、紙媒体の存在そのものが消えてしまいそうだ。
先日は福山雅治が子どもの写真をモザイク付きながら掲載されたことに怒り、「守られるべきものが、守られていない。一線どころか随分越えている」などと批判した。これを受け、ビートたけしが「俺みたいに、ぶん殴りゃいい」とテレビでコメントし、張り込み取材に対する世間の風当たりがまた強まっている。いつ、どうなっても分からない身の上だ。
もっとも、窮地ははじめてじゃない。たけしのフライデー襲撃事件(1986年)で「フライデー」のみならず、最盛期に毎週200万部も売り上げた「フォーカス」なども大打撃を受けた。ダイアナ妃がパパラッチ集団の過熱取材の中で亡くなった97年も、張り込み、隠し撮り、そして直撃という取材手法がプライバシーや人権、法律を軽視しているとの批判につながった。