マスコミvs芸能事務所「弾けた」と記者のスマホに連絡が…息詰まる攻防がまた始まる
■互いにやましい商売
フライデー襲撃事件について、たけしは「一発殴って終わりにして、編集部員も含めて、みんなで飲みに行くつもりだった」と自著などで打ち明けている。襲撃の直接のきっかけは当時懇意にしていた21歳の女性に対し、専門学校に押し掛けた記者が嫌がる女性の前に立ちふさがって、テープレコーダーを顔に突きつけたり、手を掴んで引っ張るなど粗暴な振る舞いで傷つけたことであった。「マッチの軸と先」の表現で、たけしは娘の受験まで押し掛ける張り込み部隊に業を煮やしていたことを明らかにしている。それでも、「お互い、やましい商売じゃないか」との思いがあり、編集者との丁々発止で揉め事になったが、軍団にも暴力は振るわないよう注意していたらしい。
「弾けた」との連絡が冒頭の記者のスマホに入った。ターゲットがホテルに入ったりすることの隠語だ。そして、一緒にぼやいていたカメラマンと張り込み現場へと急行する。取材者と取材相手が直接相対する現場で、息詰まる攻防が、また始まる。
(取材・構成=長昭彦/日刊ゲンダイ)