<57>何度も復縁を申し込んだ前妻との間をつないだ愛犬イブ
「私一人で話し相手もいないから、気が変になっちゃうのよ。社長に愚痴をこぼすワケにもいかないし」
早貴被告が田辺に来る前に大下さんは私にこぼしていた。それでいて、また1週間ほどするとケロッとして戻ってくるのだから、不思議な関係だった。
当時の早貴被告は大下さんとそれほど仲が良くなかったこともあってか、引き留めることもしないで、玄関で騒動を傍観しているだけだった。(つづく)