ベルサイユさんは“万引Gメン”のバイト経験あり 売れるために上京した今年からは超貧乏
ベルサイユさん(芸人/35歳)
派手なドレス姿の女芸人、「バラエティー生活笑百科」(NHK)では、なぜか倉庫からネタを披露する昭和歌謡大好きなベルサイユさん。コールセンターを中心に、万引Gメンやキャバクラでのバイト歴を経て、売れるために今年上京したのに、貧乏暮らしになってしまって……。
■万引Gメンのアルバイトは目が疲れて大変なのでやめた
関西にいてコンビやトリオを組んでいた若い頃は、いろんなバイトをしましたよ。
コールセンターのほかにはまず万引Gメン。ショッピングセンターで一日中、お客さんになりすまして店内を巡回。最初は研修でベテランの方の弟子みたいな感じでくっついて仕事ぶりを覚えるところから。
「面白そうだなあ」と思って始めたけど、メッチャ目が疲れる! 私、コンタクトレンズをしていますが、乾いてポロッと落ちるくらいに集中して観察しなくちゃいけないんです。商品をカバンやポケットに入れたところを2回見つけないと声をかけちゃいけない決まりですし、万引Gメンと気づかれて逃げられると追いかける。時給も1000円ちょっとでしたし、とにかく目が痛くなるし、大変なのでやめちゃいました。
キャバクラの仕事は楽そうに見える人もいるかもしれないけど、勤務外の時間でもお客さんと連絡とったり同伴しないと指名がもらえない。
中にはホステスとご飯に行きたい、でも、キャバクラではお金使いたくないから同伴出勤はしたくないなんてセコい人もいるんです。だから、ご飯の終わり頃に、ケータイに電話がかかってきたフリして、私に「あ、仕事の用事が入ったから店には行けない」とか言って帰ろうとしたおっちゃんがいました。
でも、ケータイを取って「はいはい、わかったわ」とおっちゃんがしゃべってる最中に、おっちゃんのケータイが鳴ったんですよ! 「さっきかかってないやん!」と私が気づいて、おっちゃんと大ゲンカ(笑い)。
いいお客さんもいました。ガールズバーで働いていた時に、店の女の子を大勢連れて気前良く焼き肉やカニのお店に行ってくれて、ご飯のあとにお店にも来てくれる。下心がない方。お笑いライブにも来てくれましたし。
安い野菜を探して買ったら腐った
5年ほど前にピン芸人になり、芸人の仕事を頑張ろうと決めて上京した今年からが、すごい貧乏です。地元の奈良と比べたら野菜がメチャ高くて、3店くらい歩いて安い野菜を探します。「ブロッコリーが安い!」と思って買ったこともありますが、傷み始めていて、すぐ腐りました。
派手な衣装も自前ですし、衣装や小道具を収納するため2・4畳のロフト付きの5・5畳のワンルームを借りてます。しかも、奈良の頃から飼っていたインコのピーちゃんもいるので、病気になると治療費にメッチャお金がいる。飼い始めた当時は1650円で売られていたのに、通院していた時期は治療費に何万円もかかった。夏場はピーちゃんが病気にならないように私がいない時間も冷房を入れっぱなしで電気代もかかります。
食費を節約するためパンを買う時は安くて重たいパンを買っています。大きくてもクロワッサン系はふわふわしているので、お腹にたまる重いパンの方がいい。
昭和歌謡を使ったネタがあるのは、30歳手前で恋愛がうまくいかなかった時に、ユーチューブで見て好きになったから。加藤ミリヤさんや西野カナさんの失恋ソングもいいけど、藤圭子さんの「新宿の女」の「ポイとビールの栓のよに 私を見捨てた人なのに」を聴いて「これや!」と思いました。ほかには桂銀淑さんの「夢おんな」、八代亜紀さんの「おんな港町」が大好きだし、ネタにも使わせてもらっています。
今、「バラエティー生活笑百科」でのリモート出演では番組の企画で私だけいつも倉庫からネタを中継しています。
「いつか倉庫を出てスタジオに来られたらいいですね!」と話を振ってもらえるし、視聴者の方から応援のツイッターもいただいて。倉庫から出られる日が来るまで頑張ります。今のワンルームからも出て、衣装部屋とピーちゃんと私のと3部屋あるマンションに暮らせるようになるのが目標です!
(聞き手=松野大介)
▽本名=森田えり 1986年7月、奈良県生まれ。コンビやトリオ活動を経てピン芸人、ベルサイユとして活動に。