神田沙也加さん 苦しみ抜いた末の母・聖子からの自立…ベテラン芸能記者が見た村田充との日々

公開日: 更新日:

「共に過ごした時間に感謝し、心から哀悼の意を捧げます。彼女の歌声は、まるで天使のようでした」

 札幌公演中にホテルから転落し、亡くなったミュージカル女優・神田沙也加さん(享年35)について、元夫で俳優の村田充(44)はこう哀悼の意を示した。

 村田は2017年4月に沙也加さんと結婚したが、19年12月に離婚を発表。当時、村田は「子どもが欲しかった私と、前向きになれなかった彼女とで折り合いがつかず」などと、離婚にいたった背景をブログで書いている。

 沙也加さんと村田はハワイのモアナチャペルで挙式、おそろいのTシャツで手をつなぐ仲むつまじい写真をSNSに掲載していた。その後、村田は活動休止し、1日24時間、365日とばかり沙也加さんに寄り添い、付き人かマネジャーのように甲斐甲斐しく世話を焼く姿が目撃されていた。ベテラン芸能記者の青山佳裕氏は言う。

「沙也加さん出演のミュージカル制作発表の後、喫茶店で共演者の女の子とおしゃべりしていると、ベンツを運転して村田さんが迎えに来て、じっと待機していたのを覚えています。それから沙也加さんお気に入りの原宿のブティックに車を走らせ、女性服の買い物に1時間半、付き合う。沙也加さんは30センチ近く背の高い夫の腰に手を回し、ひとときも離れたくないという様子でした」

 沙也加さんは仕事に邁進する母、松田聖子(59)から祖母の一子さんに預けられ、最も親の愛情や庇護の欲しい幼少期、とても寂しい思いをして育った。離婚について、沙也加さんはテレビでこう語ったことがある。

「両親ともに芸事で、子どもっていうのがどうしても抵抗があって、一緒にいてあげられない側面が出てくるだろうなと」

 母聖子との確執は結婚披露パーティーに聖子を呼ばず、聖子は聖子で祝福コメントを出さなかったことで表面化。沙也加さんは幼少期のトラウマからか、ファザコンのように甘えさせてくれる年上夫と自分の城を構え、聖子からの完全独立をはかったのだろう。しかし、それも破局に終わってしまう。

スタバで一心不乱に履歴書を書く姿が…

「子どもの件は、たしか『そのときは僕が家庭に入るよ。だから君は安心して外で仕事をしておいで』と村田さんに言ってもらえ、前向きになれたと沙也加さんはおっしゃっていたと思います」(青山氏)

 有名な母親からの自立。演出家の宮本亜門は「ミュージカルやりたい、本当にうまくなりたいんですって、本物になりたいって何回も言ってました」と、オーディション合格を告げても有名な両親だから受かったのかと食い下がる沙也加さんの姿を語っている。

「ミュージカル女優で認められる前、沙也加さんが、駅前のスタバで一心不乱に履歴書を書く真剣な表情が印象に残っています。もう何枚も。時給900円でのアルバイト経験をご本人がテレビで語っていましたが、まず自活するために必死だったのでしょう」(青山氏)

 頑張り、頑張って、自分ひとりの力で自分の地位を築いた沙也加さん。天国ではどうか安らかに。そう祈るばかりだ。

*番外編を【動画】でご覧いただけます。

 ◇ ◇ ◇

【相談窓口】

■日本いのちの電話連盟

 ●ナビダイヤル 0570-783-556
  午前10:00~午後10:00

 ●フリーダイヤル 0120-783-556
  毎日:午後4:00~午後9:00
  毎月10日:午前8:00~翌日午前8:00 

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  3. 3

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  4. 4

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  5. 5

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  3. 8

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  4. 9

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  5. 10

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ