「喪に服す」松田聖子 NHK紅白歌合戦の出場辞退は妥当だった
しかし、穏やかだった結婚生活は沙也加さんが生まれた翌86年あたりまで。聖子は男性アイドルや人気俳優、米国人青年らとの交際が次々に報じられ、97年に離婚する。この間、聖子との交際を暴露したジェフ・ニコルスを単独インタビューしたこともあった。喜々として聖子との交際を語るジェフは虚栄心の塊のような青年だった。そんな騒動を幼心に見ていたに違いない娘の胸中はいかばかりだったか。
その後、母娘の確執が幾度も語られ、結婚を反対され、母親との葛藤は続いた。しかし、どんな事情があったにせよ、一粒種の沙也加さんが不慮の死を遂げた今、どんな思いが去来するのか、それこそ他人に推し量ることはできない。
そんな聖子が晴れがましい紅白のステージでは「赤いスイートピー」を披露することが決まっていたという報道もあった。
だが、「喪に服す」という言葉もあり、出場を辞退するという選択は妥当だったと思う。
(峯田淳/日刊ゲンダイ)