NHK「魔改造の夜」に見る“ものづくりニッポン”の底力と可能性
20日と27日、2週連続で「魔改造の夜」(NHK・BSプレミアム)の新作が放送された。
魔改造とは「リミッターを外し、大人げないパワーのモンスターに改造する行為」だ。これまでポップアップトースターで食パンを高く飛ばしたり、太鼓を叩くクマのおもちゃに瓦割りをさせたりしてきた。第5シリーズの今回は「ネコちゃん落下25m走」と「電気ケトル綱引き」だ。
前者は、歩くネコのおもちゃを6メートルの高さから地上に落とし、さらに25メートル先のゴールまで走らせるというもの。落下しても壊れない構造と、着地後すみやかに自走するシステムを持つスーパーネコちゃんの開発に挑むのは技術系有名企業3社だ。
競技が始まる前、各社への1カ月半にわたる密着ドキュメントが流されるが、これがすこぶる面白い。方針の検討に始まり、設計、試作品作り、テストを繰り返す。何度も壁にぶち当たるのだが、独自の発想と技術力で突破していくのだ。
また、「電気ケトル綱引き」も同じ3社が競い合った。ケトルが噴き出すわずかな蒸気をエネルギーにして綱引きをする怪物マシンたち。中には思うように動かず落胆するチームもあった。魔改造倶楽部顧問の伊集院光が「悪夢を見ていい場所で見られてよかった」と励ましていたが、各社とも「ものづくりニッポン」の底力と可能性を十分に感じさせてくれた。