弟子入り志願者が来るとまず、「よしたほうがいい」と説得します
付け加えれば、講談のリズムとメロディーを会得したから、三三の落語は耳に心地よいのだと思う。
彼の実力と人気からして、弟子が一人もいないのは意外である。最後に、そのことを聞いてみた。
「別に弟子は取らないと決めているわけじゃないんです。取らなきゃいけないとも思ってませんが。弟子入り志願者が来ると、まず、『よしたほうがいい』と説得します。若い人は第1次産業で働くべきで、芸人になる人はごく少数でいいと思ってますので、誠心誠意お断りする。それで皆さん聞き分けが良くて、あきらめちゃうんですね(笑)」
どうしても落語家になりたいと粘れば、入門を許されることもあるだろうに。今後、三三の弟子になる者が出てくるのか、楽しみにしている。(おわり)
(聞き手・吉川潮)