弟子入り志願者が来るとまず、「よしたほうがいい」と説得します
2013年、47都道府県を47日間で回るツアーは苦労も多かった。
「和歌山では前売りが3枚しか売れてなくて、そのことを知った大阪在住の落語作家、小佐田定雄先生が、『関西の心ある落語ファンは和歌山に集え!』と檄を飛ばしてくれたおかげで、当日は40人も入りました」
毎日移動して、体調管理は?
「会を終えて次の土地へ移動する。早起きして、宿屋の朝食をおいしくいただいて、会の前に、その土地の様子を知るため街を歩く。いい運動になったし、東京にいる時より規則正しい生活だったので、体調は万全でしたね」
当時の三三は30代(現在は48歳)。若いからできたことであろう。
「今思い出しても、我ながらよくやったと思います。楽しかったですね」
彼の強みは、落語だけでなく講談の素養が備わっていることだ。二つ目時代、講談師の宝井琴柳に稽古をしてもらったとか。
「講談の稽古をさせてもらったことで、落語で言う地の部分、会話でない部分をコンパクトに整えて、聞きやすくしゃべれるようになりました」