「笑点」司会者になって6年…「宮治君みたいな若い人が年寄りに絡む面白さ」
昇太がこの連載に登場するのは2度目で、最初は6年前であった。掲載中に「笑点」の新司会者に決まったのだ。
「もう6年たちますか。実を言うと、僕は司会者より、回答者の方が好きだったんです。自分のことだけ考えてればいいから。面白い答えで受けるのが楽しかったし。司会だとそうはいかないでしょ。それで最初のうちは楽しくなかった。2年くらいたってからですか、メンバーの答えにリアクションしたり、つっこんだりするのが楽しくなってきたのは。先輩の師匠方がどんどん年を取ってきて、それがまた面白いんですよ」
確かに、木久扇を筆頭に好楽、小遊三、円楽と急速に高齢化が進んでいる。
「たとえば、小遊三師匠が下ネタを言っても、若い頃は生々しかったのが、年取ると何を言っても許せちゃうでしょ。罪がない感じがとっても面白い。そこに宮治君みたいな若い人が入ってきて年寄りに絡むと、また違う面白さが出てくる」
レギュラー入りを願っている?
宮治は評判がいいようだが。
「とってもいいですよ。周りをちゃんと見られる人です。座る位置が好楽師匠の隣なので、ツッコミを入れると、これが面白い」
このところ円楽が療養中で、週替わりでゲストが出ているが、対応はどうなのか。
「やっぱり気を使わなきゃいけません。ただ、付き合いが長い方は気が楽で、市馬(柳亭)兄さんの時は楽でした。竹丸(桂)兄さんの時なんかはもっと気楽で、いつも飲み屋で交わしてるようなやりとりでしたね。学生時代からの付き合いですので」
昇也は、BS日テレ「笑点特大号」の若手大喜利のメンバーである。
「他のメンバーが脱線した時、本線に戻す役です。入ってすぐ、ディレクターさんに、『おいしくない役割だけど、必要不可欠な存在だから』と言われて納得しました」
やはり本家のレギュラー入りを願っているのだろうか。
「はい。入れるものなら入りたいです」
正直に目を輝かせた。 =つづく
(聞き手・吉川潮)