久保田智子さんに訊くキャリア24年の歩み「いつも“えいやっ!”と始めちゃうタイプです」
第13回 久保田智子さん(TBS NEWS DIG編集長)
今回のゲストはTBS報道局デジタル編集部で「TBS NEWS DIG」編集長を務める久保田智子さん(46)。2000年にアナウンサーとして入社後は数多くの人気番組で活躍。さらに外信部や政治部の記者として取材に駆け回り、ニューヨーク特派員も経験。その間に結婚、退社、大学院進学、復職。加えて19年には特別養子縁組で女児の母になった久保田さんに訊く!
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原田 久保田さんとは初めてお会いします。2000年にTBSに入社された後、アナウンサーから記者になり、一回TBSを退職して復職されるというキャリアの変遷や、大学院に通われたり特別養子縁組をなさっていたりと、すごく幅があってユニークな人生を歩まれているなと思い、お話を聞いてみたかったんです。先日、TBSの若手記者に聞きましたが、今、久保田さんは若手社員の間で憧れの的だそうですね。
久保田 確かに私のキャリアって変わっていますもんね(笑)。今は報道局デジタル編集部に所属していまして、昨年4月に新たに立ち上げたニュースサイト「NEWS DIG」の編集長をしています。週に1回「news23」で「NEWS DIG」で扱った記事を紹介したり、自分で取材して記事も書いています。「TBS NEWS DIG Powered by JNN」公式ユーチューブチャンネルでは配信番組も担当しています。
原田 扱う記事はどのようなジャンルですか?
久保田 自分事として、強く問題意識を持っているテーマにしてます。子ども、教育、友人が悩んでいたコロナの後遺症とか。
原田 なるほど。そもそも久保田さんがTBSのアナウンサーを志望した理由は?
久保田 専業主婦の母からも「女性でも仕事をして独立してほしい」ということをよく言われていました。そんな中でも、アナウンサーは、華がある仕事だし、手に職がある専門職で、漠然として憧れがありました。実は、就職活動直前までカリフォルニア大学に留学をしていまして、帰国したばかりで、何でもできるような気持ちになっていて、その勢いで受けたというのが真相です。留学で気持ちが本当に解放されていて、面接では「ニュースはゴダールの映画のように作るべき!」とか、今思うと恥ずかしくなるようなことを訴えていました。
原田 テレビ局の試験は他の職種よりも早いんですよね。
久保田 そうなんです。私は留学していて夏に希望者が参加するアナウンスセミナーにも通っていなかったので珍しいパターンだったのかもしれません。面接でかなり自由に話をしているこの子誰? って感じで、時間をかけて私の話を聞いてくださったんですよ。当時は「自由で面白い子を育てていこう」という気風があったんでしょうか。
原田 TBSは、面接で「『世界ふしぎ発見!』のミステリーハンターになりたい」と言うと落とされるっていうジンクスもありますよね。本当かどうかはわかりませんが(笑)。
久保田 そういうことも一切知らないのがよかったのかな(笑)。それで2000年に入社することになりましたが、最初は本当にひどくて。アナウンステクニックももちろん知らないし、声量のコントロールができてなくて全部怒鳴っていたんです。大きな声を出さないといけないと思って。みんなに「本当にどうなるかと思った」と言われました(笑)。