著者のコラム一覧
原田曜平マーケティングアナリスト・信州大学特任教授

1977年、東京都生まれ。マーケティングアナリスト。慶大商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーなどを経て、独立。2003年度JAAA広告賞・新人部門賞受賞。「マイルドヤンキー」「さとり世代」「女子力男子」など若者消費を象徴するキーワードを広めた若者研究の第一人者。「若者わからん!」「Z世代」など著書多数。20年12月から信州大特任教授。

久保田智子さんに訊くキャリア24年の歩み「いつも“えいやっ!”と始めちゃうタイプです」

公開日: 更新日:

「NEWS23」メインキャスターの経験は集大成でした

原田 2000年入社でしたら、今よりもっとアナウンサーの人気や影響力があった時代ですよね。90年代には女子アナブームもありました。

久保田 私はその“ブーム”を見てきた世代です。私は「めざましテレビ」を見てから学校に行っていたので、八木亜希子さんや、小島奈津子さんにはとても親しみを持っていました。また、TBS雨宮塔子さんが大好きでした。自分が同じ仕事をするなんて、冷静に考えたら、本当に畏れ多いことだと、内定してからは縮こまってました。

原田 狭き門を突破して入社したらギャップはありましたか?

久保田 忙しかったですね。でも笑顔の裏で、こんなに大変なんだって。朝の帯番組「おはよう!グッデイ」やその後枠番組「ウォッチ!」をやっていたときは、これらに加えて夜まで他番組の収録があったりして、いまが朝なのか、夜なのか、わからなくなるような残業をしてたなとは思います。

原田 働き方改革とかワークライフバランスという言葉もない時代です。ただ、結果的になのか久保田さんはすごくいろいろなジャンルの番組をご担当されましたよね。「どうぶつ奇想天外!」「はなまるマーケット」「筑紫哲也 NEWS23」など、幅広いイメージがあります。

久保田 いろいろな番組を担当させてもらったことは運がよかったと思っています。朝の帯番組のほかに、昼の情報番組「2時っチャオ!」や、夕方の「Nスタ」、週末の「報道特集」など、いろいろな経験のおかげでできることが増えましたし、自信も持てるようになっていきました。

原田 2013年からは報道局兼務になり、記者兼アナウンサーになられました。

久保田 はじめは、恥ずかしながら記事を書くにもブラインドタッチすらできない状況で……。そこで、アナウンサーのときは、原稿という本当に最後の部分のみを任されていたんだなと気付かされました。もちろんアナウンサー業務もプロフェッショナルだと思うのですが、私たちの前に原稿が来るまでにすごくいろいろな過程があることが全くわかっていなかったなと思って。その労力と同等のことを、私はアナウンサーとしてしていただろうかと自分のそれまでの仕事を振り返りました。

原田 仕事の内容が違うので比較は難しいでしょうけどアナウンサーと記者、どちらの満足度が高いですか。

久保田 満足するポイントが違うんですよね。私は実践が好きで、主体的な行動ができるときに満足するのですが、アナウンサーとしてのやりがいは原稿をうまく読めたときや、画面でステキに映っているとき。あとは、笑いがとれたときや、みんなの話をうまく引き出しているときだったように思います。記者としてのやりがいは知られていない問題を伝え、社会をちょっとでもよくできたとき。自分の取材で「そんな一面もあるんだ」ですとか、当事者の方から「ありがとう」と言われることは、すごくうれしいです。

原田 2014年に政治部、15年には経済部の記者になり、結婚されて一度TBSをお辞めになるんですよね。

久保田 辞める直前に産休を取った膳場貴子さんに代わって3カ月だけ「NEWS23」のメインキャスターを務めることになりました。短かったですが、この経験はアナウンサーとしての集大成だったように思います。アナウンサー、記者として学んだことを存分に発揮できる場所を与えてもらって、後輩たちにもこんな経験ができる場が多く広がっていけばいいなと思いました。

原田 アナウンサーのままでも久保田さんのように職種を変えられるルートがあればいいですよね。後輩アナウンサーが久保田さんに憧れる理由がわかるような気がします。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松本人志「事実無根」から一転、提訴取り下げの背景…黒塗りされた“大物タレント”を守るため?

  2. 2

    島田洋七が松本人志復帰説を一蹴…「視聴者は笑えない」「“天才”と周囲が持ち上げすぎ」と苦言

  3. 3

    人気作の続編「民王R」「トラベルナース」が明暗を分けたワケ…テレ朝の“続編戦略”は1勝1敗

  4. 4

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  1. 6

    松本人志が文春訴訟取り下げで失った「大切なもの」…焦点は復帰時期や謝罪会見ではない

  2. 7

    窪田正孝の人気を食っちゃった? NHK「宙わたる教室」金髪の小林虎之介が《心に刺さる》ファン増殖中

  3. 8

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  4. 9

    菊川怜が選んだのはトロフィーワイフより母親…離婚で玉の輿7年半にピリオド、芸能界に返り咲き

  5. 10

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇