元陸自1等陸佐に聞いた…アフガン映画「コヴェナント/約束の救出」のリアリティー

公開日: 更新日:

 23日、全国で封切られた映画「コヴェナント/約束の救出」(ガイ・リッチー監督)が早くも話題だ。舞台は、9.11への報復の流れで米軍が駐留する2018年のアフガニスタン。タリバンの武器庫捜索部隊を率いる米軍曹長(ジェイク・ギレンホール)と、アフガン人通訳(ダール・サリム)をめぐる壮絶な救出劇を描いたヒューマンサスペンスだ。どれほど真に迫っているのか。陸上自衛隊を1等陸佐で定年退官後、日本政府によるアフガニスタン支援事業のセキュリティーを担った越智楢男氏に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ──タリバンの襲撃で部隊はほぼ全滅。瀕死の曹長を手押し車などに乗せ、山岳地帯を100キロも移動した通訳の精神力にたまげました。

 戦闘場面はまさにそのもので、非常にリアルでした。曹長を死に物狂いで助け出し、英雄視された通訳が米軍の保護下に入れず、家族で逃げ惑う展開には「ん?」となったのですが、タリバンが米軍の協力者を執拗に狙うのは現実です。見方を変えると、協力者はアフガン社会で大きな権力を握る存在だったからです。「ここにタリバンが潜んでいる」と米軍に情報をあげれば、襲撃作戦が実行される。高額報酬を含む好待遇などと引き換えに、家族ともども標的とされるリスクにさらされています。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 2

    大山悠輔逃し赤っ恥の巨人にOB評論家《良かった》 FA争奪戦まず1敗も…フラれたからこその大幸運

  3. 3

    悠仁さまの進学先に最適なのは東大ではなくやっぱり筑波大!キャンパス内の学生宿舎は安全性も高め

  4. 4

    過去最低視聴率は免れそうだが…NHK大河「光る君へ」はどこが失敗だったのか?

  5. 5

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  1. 6

    《次の朝ドラの方が楽しみ》朝ドラ「あんぱん」の豪華キャストで「おむすび」ますます苦境に…

  2. 7

    国民民主党・玉木代表まだまだ続く女難…連合・芳野友子会長にもケジメを迫られる

  3. 8

    「人は40%の力しか出していない」米軍特殊部隊“伝説の男”が説く人間のリミッターの外し方

  4. 9

    瀬戸大也は“ビョーキ”衰えず…不倫夫をかばい続けた馬淵優佳もとうとう離婚を決意

  5. 10

    迫るマイナ保険証切り替え…政府広報ゴリ押し大失敗であふれる不安、後を絶たない大混乱