菅田将暉主演「Cloud クラウド」米国アカデミー賞 "日本代表"決定も劇場がパッとしないのは?
米国で来年3月2日(現地時間)に開催予定の『第97回アカデミー賞』。『国際長編映画賞』候補の選出を依頼されている日本映画製作者連盟は、8月30日に米国の『映画芸術科学アカデミー』から申請があった13作品の中から菅田将暉(31)主演の『Cloud クラウド』(日活/東京テアトル)を日本の代表作品に選出した。つまり、同作品が『国際長編映画賞』の有力候補に躍り出たわけが、『Cloud』は9月27日の公開以降、客足が思うように伸びていない。
■真田広之の"エミー賞18冠"効果もあったのに採算ギリギリの状況
9月15日(現地時間)に開かれた『第76回エミー賞』では、真田広之(63)がプロデュース・主演を務めたドラマ『SHOGUN 将軍』が作品賞など18冠に輝き、真田も日本人俳優として初めて主演男優賞を受賞する快挙があったが、『Cloud』は公開から3日間の観客動員数が約5万3600人、興行収入は1億円にも届かず約7700万円で終わってしまった。
来年のアカデミー賞で話題になりそうな注目作品であるにもかかわらず、公開週の興行ランキングで辛うじてトップ10入りするのがやっとの状況なのだ。筆者の試算によれば、このペースで推移すると、『Cloud』の最終興収は製作予算を回収できるか否かの境目となる3億円前後になりそうだ。ちなみに、今年の同賞にノミネートされた役所広司(68)主演の『PERFECT DAYS』(ビターズ・エンド)は、商業的な派手さは無い作品ながらも最終興収は約37億円となっている。