ザ・フォーク・クルセダーズ バンド解散後に火がついた「帰って来たヨッパライ」

公開日: 更新日:

 そうして作ったアルバムの中の一曲が「帰って来たヨッパライ」だった。曲は加藤、詞は知り合いから紹介された松山猛が書いた。レコーディング作業も加藤がほとんどをやった。北山の妹が英語の勉強のために持っていたオープンリールのテープレコーダーを使い、多重録音や早回しを繰り返し、あの独特の節回しが生まれた。最後に北山が「なぁおまえ」と神の声を吹き込み、曲は完成した。

 アルバム300枚をプレスしたが、67年9月の解散コンサートでは、100枚しかさばけなかった。残った200枚をどうしようかということになり、ラジオ局を回った。売るためだったが、露骨にイヤな顔をされるので「よければ、かけてください」とタダで渡すようになった。

 そうして深夜放送で曲が流れ、レコード会社からもオファーがきたわけだが、すでにフォークルは解散。すると、北山は加藤に「もう1年だけやろう」と提案。ただ、もうひとりのメンバーである平沼は、家庭の事情でどうしても続けることができないという。そこで加藤が白羽の矢を立てたのが、関西のフォーク界では名を知られていた同志社大のはしだのりひこだった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に