<17>平沢勝栄さんとの縁…検挙されたが選挙ポスターを撮影
元警視庁防犯部長の平沢勝栄さんが「今回、私が頭を下げる番だ」と
末井は何度も桜田門(警視庁)に行ってるんだよね。「警察には、荒木さんに指一本触れさせない」って言ってね。偉いんだよ。でもね、末井は楽しみにしてたもん。警察に呼ばれるの、ワハハハ(笑)。そのことを書いたり、喋ったりしてるんだから、取材に行ってるようなもんだよね。(末井は『写真時代』で警視庁の保安課に47回呼び出され、編集者時代に100回以上警察に呼ばれたと語っている)
雑誌が廃刊になっちゃってさ。行く担当者がいなくなったら、今度はオレが呼ばれるようになってさ。「いや? これは影です」とか言ったりね。まだ陰毛だしちゃいけない時代だもん。これは影だ、影だって、そういうやりとりやってね(笑)。その頃かな、政治家の平沢勝栄さんが警察の大将やっててね。勝栄さんもインタビューとかで話してるらしいけどね、警視庁の大将(防犯部長)のときにアラーキーも検挙したことがあるって。でもその後、勝栄さんが選挙に出ることになって、オレがポスターを撮ったんだよね。河野洋平さんのお父さん(河野一郎)とか政治家のポスターを撮ったことがあるんだけど、それを見て頼みにきたの。そうしたらさ、「今回、私が頭を下げる番だ」って言ってくれてね(笑)。しばらく前に、偶然に会っちゃってさ。思わず握手しちゃったね。「あの頃は」なんて、お互い言ってね(笑)。
(構成=内田真由美)