張り込み現場では一般社会では見えにくい「闇の穴」が顔をのぞかせる
大波が踊り狂う若者たちの頭上を叩きつけ、そのまま天井まで上がったところで砕けると、今度は水しぶきとなってまた戻ってきた。レーザービームによる演出だが、目を開けていられないほどのまぶしさに、中年記者は前後不覚になったものだ。
昨今ブームのクラブは中年記者の知るディスコと違い、お立ち台があるわけでもなければ、ワンレンボディコンで着飾った女たちが踊っているわけでもない。DJブースのあるフロアでは、思い思いの服装をした若者たちが、好き勝手に盛り上がっている。音楽もよくわからなかったが、決まった踊り方をしているわけでもなく、本当に好き勝手という印象であった。
ガラスと黒服に囲まれたVIPエリアで、かつてJリーガーらがこれ見よがしに集まって、女性を漁っていた光景は、もう30年くらい昔のこと。前回ターゲットにしたタレントもVIPでありながら、一般エリアに降りてきて、客から声をかけられても、気さくに応じたりしている。時代は変わったのだ。
変わったといえば、ドラッグ事情もだろう。かつてもあったし、今もクラブ遊びの後に沢尻エリカが逮捕されて表舞台から退いていった。それもコロナ禍になって、夜の繁華街での遊びに歯止めがかかり、結果的に風紀は改善したところもあるのかも知れない。そう見ていたのだが……。