今なお映画化される韓国の「3大未解決事件」と世界最高レベルの科学捜査技術
事件が急展開を見せたのは19年のこと。DNA分析により、別の事件で服役中だった男を真犯人として特定したのだ。科学捜査技術の向上で、30年を越える捜査に終止符が打たれた。
韓国の科学捜査は3大未解決事件が発生した当時と比べ、飛躍的に発展した。DNA鑑定だけでなく、国民の指紋もデータベース化。街にはCCTV(監視カメラ)も張り巡らされている。そのせいか5月13日から日本で公開の映画「バニシング:未解決事件」には違和感を覚えなくもない。“未解決事件”という割に、事件解決の糸口を容易につかむからだ。
映画は仏の監督がメガホンを取り、「007 慰めの報酬」(08年)でボンドガールを務めたオルガ・キュリレンコと韓国の人気俳優が共演。韓国で起きた変死事件に仏の法医学者が協力し、彼女の技術力で変死体の指紋を復元し事件に迫る。だが、そもそも韓国の指紋鑑定技術は今や世界最高レベルといわれる。それでも解明できなかったことを、彼女は簡単にやっちゃうのだ。物語は謎の展開を見せ、韓国のサイトではこの映画自体が「事件」で「未解決」といったコメントも。映画ファンを震撼させた作品と言えなくもない。