著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

流行の「マイコプラズマ肺炎」で注意すべきこと

公開日: 更新日:

「マイコプラズマ肺炎が流行」というニュースがありました。マイコプラズマ肺炎というのは、小学生くらいのお子さんや若い人に多い肺炎で、1カ月も続くような、しつこい咳が特徴です。典型的なものでは、熱と咳が同時くらいに出て、あまり痰が絡まない乾いた咳が表れますが、年齢が上になるにつれて、痰がらみの咳が多くなります。

「マイコプラズマ」というのは、その原因になる病原体の名前で、細菌の一種です。一般の細菌とは少し構造が違うので、特定の抗生物質しか効果がありません。軽いものは、治療しなくても治ります。

 以前は、マイコプラズマの感染症は診断が難しかったのですが、最近はインフルエンザのように喉から痰を取るだけで、その場で診断ができる検査器具が発売されて、診断がしやすくなりました。

 ただ、注意しなければならないのは、簡単な診断は確実とは言えませんし、検査が陽性でも、それが肺炎の原因とは限らないということです。

 最近の検査は病原体がいると陽性になるものです。しかし、「喘息の患者さんでは、マイコプラズマの慢性の感染がある」といった報告もあるので、実際には「肺炎の原因は別」という可能性もあるのです。

 熱と咳が強く出た時には、お医者さんを受診した方がいいのですが、同時に「マイコプラズマの診断は簡単ではない」ということも覚えておいて損はないでしょう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も