白血病なら160万円 入院期間と使用薬でがん治療費は変わる
■食事・生活療養費は20万円強
それによるとケタ違いに高いのが白血病である。100万円を軽く超え、自己負担額も50万円に迫る多さだ。
「白血病は、どうしても入院期間が長くなります。平均で2カ月ぐらい。それだけに費用も掛かってしまうのです。ほかでは、結腸のがんも入院は3週間ぐらいに及びます。2週間ぐらいで済む胃がんより費用が高いのは、その違いでしょう。手術代で極端に差が出ることはありませんからね」(永田宏教授)
肺がんが少し高いのは、新薬の影響が考えられるという。15年12月、新しいタイプのがん治療薬が肺がんの標準治療に使えるようになった。免疫の働きにブレーキがかからないようにする「免疫チェックポイント阻害薬」のオプジーボがそれだ。
「オプジーボは1カ月の治療費が300万円という高価な薬です。現在は半額になりましたが、調査した当時は、この新薬を使ったケースが含まれるでしょうから、ほかのがんよりも費用が高く出ているのかもしれません。ただ、胸を開ける手術は、お腹を開けるよりも手術代は少し高くなるので、その影響も考えられます」(永田宏教授)