女性ホルモンが減少する閉経後も乳がんを発症するのはなぜ

公開日: 更新日:

 プロゲストロンの多い時期は、精神的不安定や腹痛、頭痛、だるい、眠気など体調が悪くなることが多い。重症化すると「月経前症候群」と呼ばれる。また、女性ホルモンは病気の抑制や発症に大きく関係する。

「女性ホルモンは妊娠・出産で不足しがちのカルシウムを補いやすくするため、カルシウムの吸収を促すビタミンDの作用を増強し、骨をつくる細胞も活性化させています。それに血管を丈夫にして、動脈硬化や血栓ができないようにする作用も備えているのです」

 そのため、女性ホルモンが急激に減少する閉経後は、これらの防御作用がとれて骨粗しょう症や脳・心血管障害の発症が増えるのだ。一方で、女性ホルモンは乳がんの発症を促す。では、閉経後も乳がんの発症が多いのはどういうことなのか。

「閉経後は副腎から分泌される弱い活性の男性ホルモンが、脂肪組織内のアロマターゼという酵素によってエストロゲンに変換されるのです。肥満は閉経後、乳がんの最大リスク。閉経後の乳がん治療では、アロマターゼの働きを阻害する薬が使われています」

 更年期障害のホルモン補充療法は改良が進み、今は乳がんや血栓のリスクが少ない。ただし、たばこでリスクが上がるので注意が必要だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」