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天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

「燃え尽き症候群」は心臓に大きな負担を与える

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 他にも、「燃え尽き症候群の傾向がある人は、ない人に比べて心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患リスクが41%高い」というイスラエルの研究報告もあります。“燃え尽き度”の指標が高かった上位20%の人は、心血管疾患の発症リスクが79%も高かったといいます。

■ストレス、睡眠不足、肥満

 実際、燃え尽き症候群の原因にもなっている「ストレス」は心臓にとって大敵です。われわれはストレスを受けると、交感神経が優位になります。交感神経は活動時や緊張状態で活発になり、興奮に関わる神経伝達物質のアドレナリンが大量に分泌されます。アドレナリンは心拍数を増加させたり、血流を増やして血管を収縮させるため血圧の上昇を招き、心臓に大きな負担がかかるのです。高血圧の持病がある人は国内でも相当数います。そのような体質で交感神経が緊張を持続させられると、致命的な心臓疾患の発病率もより高まることになります。

 ストレスによる「不眠」も心臓にダメージを与えます。睡眠時は交感神経の活動が低下して副交感神経が優位になり、心臓も“休息”できるのですが、睡眠不足の状態になると、交感神経が優位になっている時間が長くなります。ストレスを受けた時と同じくアドレナリンが大量に分泌され、心臓のダメージが増えてしまうのです。

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