夫が感染…妻はその時<後編>検査は陰性で心底ホッとした
帰宅した翌日、クリニックから「陰性」の連絡があった。心の底からホッとした。とはいえ、しばらくは不要不急の外出は控え、人との接触は断つことを決めた。
仕事の予定を見直し、ウェブ会議で対応できるものはすべてリモートに変更した。外食も控えて自炊を続け、これまでは試そうとも思わなかったぬか床を使ったぬか漬け作りも始めたという。
それにしても、感染した夫とずっと一緒に暮らしていたのに、なぜまやさんは感染を免れたのだろうか。
新型コロナの感染経路は、飲食時の飛沫感染が大きな要因だといわれている。まやさん夫妻は、結婚以来ずっと横並びで食事を取っているという。向き合った形で飲食していなかった分、飛沫が料理や飲み物にかからなかったのかもしれない。
もっとも、自宅でお互いにマスクを着用したり、手洗いやうがいを徹底していたわけでもなく、同じベッドに入って夫の隣で寝起きしていたのだから、食事以外でも感染の機会は山ほどあったはずだ。
「正しいかどうかはもちろん分かりませんが、自分の自然免疫の力が高かったからではないでしょうか。実は1年以上前から『妊活』をしていて、日頃から生活習慣を整えるように心掛けていたんです。自分に足りていない栄養素、たとえば鉄分、亜鉛、ビタミンDなどを食事やサプリメントで積極的に取るようにしていましたし、ミネラルが豊富なワカメなどの海藻も意識して食べていました。代謝を高め、血流を良くして体を冷やさないために、毎日30分以上かけて半身浴もしていました。そんな生活習慣の積み重ねが自然免疫の強化につながって、ウイルスに打ち勝ったのではないかと思うのです」