新型コロナワクチン副反応を徹底検証【血圧上昇】命に関わる脳・心臓疾患につながる危険あり
「上180以上または下110以上」という数値は「Ⅲ度高血圧」に該当し、放置していると心臓血管や脳血管病で死亡するリスクが正常範囲の人と比べて約10倍になるとのデータがあるだけに、軽く考えるわけにはいかない。
厚労省が10月22日に公表した「医療機関からの副反応疑い報告状況」によると、2月17日から始まったファイザー社のワクチン接種後(推定接種回数1億4144万2370回)に診療上で「血圧上昇(高血圧)」があった例は91件、「高血圧緊急症」が5件。5月22日から始まったモデルナ社(同2770万1010回)では、血圧上昇が17件、高血圧緊急症が3件となっている。同じく「製造販売業者からの副反応疑い報告状況」では、ファイザーが264件/12件、モデルナが6件/4件だった。また、検査測定レベルでの血圧上昇は、ファイザーで1393件、モデルナで12件見られたという。
なぜ、ワクチン接種で血圧が大幅に上昇するのか。東邦大学名誉教授で循環器専門医の東丸貴信氏は言う。
「はっきりしたメカニズムはわかっていませんが、mRNAワクチンが体内で作り出すスパイクタンパク質が関係しているのではないかと考えられています。作られたスパイクタンパク質は、細胞の表面にある『ACE2受容体』に強力に反応し、細胞膜でのACE2の発現が低下します。ACE2には、血圧を上昇させる作用を持つ生理活性ペプチド『アンジオテンシンⅡ』を分解する働きがあるので、ACE2の発現低下によってアンジオテンシンⅡが増え、血圧が上昇する可能性が指摘されているのです。ただ、それでも接種直後の急激な上昇は説明できません」