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清澤源弘自由が丘清澤眼科院長

1953年、長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年、仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院に留学。92年、東京医科歯科大眼科助教授。2005-2021年清澤眼科院長。2021年11月自由が丘清澤眼科を新たに開院。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会名誉会員など。

糖尿病の診断を受けてから10年後には50%が網膜症を患う

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 では、自分が糖尿病性網膜症かどうかはどのようにすればわかるのでしょうか? まずは「かすみ目」からチェックしましょう。視界がかすんで見えにくい状態をかすみ目と呼びます。老眼、近視、白内障では徐々に目がかすみます。一方、硝子体出血、加齢黄斑変性では比較的急速に目がかすみます。見え方を自分で確かめるには、壁掛けカレンダーの前に立ち、手で片眼をふさぎます。その状態で全体が一度に見えるか、縦横の線がゆがんでいないかをチェックします。

 糖尿病の期間と高血糖は、網膜症の発症と進行の最も強力な因子です。微小血管合併症のリスクと血糖との間には関係があり、HbA1cが1%減少するごとに、微小血管病変のリスクも35%減少したそうです。ですから、血糖と血圧のコントロールが重要です。

 網膜症が進行して、網膜血流の悪い部分が生じた場合は、糖尿病性網膜症の治療として「網膜光凝固」が行われます。タイムリーなレーザー光凝固療法は、重度の糖尿病網膜症及び黄斑浮腫の患者の大部分で視力喪失を防ぐことができます。

 病気がさらに進んで、網膜剥離や硝子体出血が出る場合には、眼内の出血や網膜牽引組織を取り除く「網膜硝子体手術」が考慮されます。これは専門の病院で行われる高度な手術です。

 糖尿病患者さんは少なくとも年に一度は眼科検診を受けることをお勧めします。

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