コロナが落ち着いた今が好機 中高年は浮かれる前に眼科検診を
新型コロナ第5波が収束に向かう今は梅雨の晴れ間と同じ。第6波前の静けさに過ぎない。
だからこそ久々に羽を伸ばして“酒を飲みたい”“ゴルフをしたい”“旅行に行きたい”という気持ちはわかるが、中高年はその前にやることがある。検診だ。新型コロナで引きこもっている間に体は確実に劣化している。すぐに見つけて手を打たないと取り返しのつかないことになりかねない。
糖尿病疑いのある50代男性はここ数年、健康診断で「右目の視神経乳頭の異常」を指摘されていた。眼科の再検査で緑内障と診断され、眼圧を下げる点眼薬を会社の近くの眼科医院で処方されていた。しかし、新型コロナでリモートワークになったのをキッカケに眼科に通わず、10カ月間点眼薬を手にしなかった。
ある日、モノが見づらくなり、左目をつむったら視野の周辺に薄いカーテンのようなものが見えるようになった。慌てて以前の眼科に駆け込んだら緑内障が進行していたことがわかった。清澤眼科医院の清澤源弘名誉院長が言う。
「新型コロナで病院通いを控えたことで目の病気が進行した患者さんは少なくありません。なかでも怖いのは緑内障です。視野欠損が始まっていても視野の検査をしないとわかりません。視力は落ちないので患者さんには自覚がないのです」