世界初の「がん悪液質の薬」はどんな効果を上げているのか?
がん悪液質は、①「前がん悪液質」②「悪液質」③「不応性悪液質」の3つの連続した病期に分類される。
「①はごく軽い全身倦怠感、食欲低下が出現する時期で終末期前期にあたります。患者さんは抗がん剤治療を受けていることが多く、通常の日常生活を過ごしています。この時期に積極的な栄養介入が必要です。②は全身倦怠感が見られ、食欲が低下、徐々に衰弱が進行していく時期です。患者さんは徐々に治療するのがつらくなり、筋力低下が表れます。終末期前期から中期にあたります」
③では体力低下が顕著になり抗がん剤治療の効果が期待できなくなる時期で、余命の限られた状態となる。
「エドルミズは、これに対抗するためのもので、グレリンと呼ばれる物質に似た働きをする飲み薬です。グレリンは、主に胃から分泌される食欲ホルモンで、食欲高進や脂肪蓄積などの生理作用があります。つまり、体重、筋肉量、食欲、代謝を調節する複数の経路を刺激するわけです。エドルミズはこれと同じような働きをすることで、がん悪液質患者の体重と筋肉量を増加させ、食欲を復活させるのです」