世界初の「がん悪液質の薬」はどんな効果を上げているのか?

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■4カ月体重を維持、腫瘍マーカー低下の例も

 添付文書に非小細胞肺がんのがん悪液質患者173人(エドルミズ投与83人、プラセボ投与90人)を対象に国内で行われた臨床試験の結果が記載されている。

 それによると、脂肪を除いた体重量がエドルミズ投与群で平均1.38キロ増加。プラセボ群では平均0.17キロ減少した。

 消化器がんのがん悪液質患者を対象に行われた臨床試験では、被験者の63%に体重の維持・増加が認められ、食欲の改善も見られたという。

 ただし、肺がんのがん悪液質患者を対象とした臨床試験では、骨格筋の増加は認められたものの、筋力の有意な増加は見られなかった。筋力を維持・向上させるには、筋肉に負荷をかける運動が必要であるのは明らかだ。

 残念ながら、エドルミズの適応は、「肺がん」「胃がん」「膵がん」「大腸がん」に限られており、乳がんなどその他のがんには認められていない。


 では、この世界初のがん悪液質の治療薬は実際に臨床現場ではどのような成果が上がっているのだろうか?

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