いま知っておきたい「爪水虫」最新情報(上)新検査キットが日本に初登場
「そのうち、自分へもうつしてしまう。体が白癬菌に感染した状態を体部白癬というのですが、こういったケースは決して珍しくありません。自分の足から白癬菌を布団の上にばらまいて、その上に毎日寝ていれば、体の皮膚にうつるでしょうし、入浴後タオルで体を拭く際、先に足を拭いてから体に……ということもあるでしょう。そうやって足から体や顔に広がります」
爪白癬で爪が分厚くなり切れなくなって、歩行に困難が生じる人も多い。高齢者では筋力低下からフレイル・サルコペニアを起こし、転倒リスクが増す。糖尿病がある人は、水虫のささいな傷から重篤な細菌感染症に至り、下肢切断となりかねない。爪白癬を「たかが水虫」と甘く見てはいけない。
イムノクロマト法の登場で今後、爪白癬の診断は次の流れで行われる。KOH直接鏡検法が可能な施設では、最初にKOH直接鏡検法。陽性なら爪白癬の治療。爪白癬を疑うものの鏡検が陰性で、判断に迷う場合はイムノクロマト法で検査をし、陰性ならほかの疾患として精査を進める。
顕微鏡がなかったり、鏡検できる医師がいないなどの理由でKOH直接鏡検法が不可能な施設では、最初からイムノクロマト法を行う。