著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

末期がん90代女性「一人娘とは絶縁状態で会うこともできない…」

公開日: 更新日:

 自分のやりたいようにしたい、という気持ちが強く、介護ベッドの導入を提案した時は、「布団でいい」と拒否されました。市販薬を近所の人に買ってきてもらい、自己判断で飲まれることも。

 日に日に病状は悪化し、家事や排せつなどが厳しくなっていきます。ホスピスの入居がベターと考えたのですが、身元保証人がいないため手続きがスムーズにいかず、調整が続いている状態でした。

 女性はどんどん悲観的になっていく。私たちができることは、痛みや息苦しさなど身体的なつらさを取り除くこと。さらに、話を傾聴し、少しでも寂しさを軽減するよう努めることでした。在宅医療を開始して2週間後、自宅で、私たちが見守る中、旅立たれました。

 しばらくして、娘さんから当院あてにお手紙が届いたのでした。

「いつかは歩み寄ることもできたかもしれないと思っていましたが、そんな思惑とは裏腹に、母は突然逝ってしまいました。皆さまの手厚い介護は感謝しております」

 そこには、母に優しい言葉をかけるべきか最期まで葛藤があったこと、娘さんなりにできることは、できるだけやったことなどがつづられていました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    前田健太「ドジャース入り」で大谷との共闘に現実味 日本復帰より「節目の10年」優先か

  2. 2

    永野芽郁の「文春」不倫報道に噛みついたGACKTさんは、週刊誌の何たるかがわかっていない

  3. 3

    元NHK岩田明子は何をやってもウケない…コメントは緩く、ギャグはスベる、クイズは誤答

  4. 4

    Mrs.GREEN APPLEとディズニーのコラボに両ファン懸念…売れすぎた国民的バンドゆえの"食傷感"

  5. 5

    のんを襲った"後輩女優の二股不倫報道"の悲劇…カルピスCMめぐる永野芽郁との因縁

  1. 6

    ダウンタウン復帰が外部資金でコンテンツ配信のナゼ…松本人志に浮上した疑惑の顛末

  2. 7

    井桁弘恵ショートカットで“山之内すず化”が加速! 「そっくり問題」いよいよ待ったナシ

  3. 8

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  4. 9

    小田和正「77歳の現役力」の凄み…現役最年長アーティストが守り続ける“プロ意識”

  5. 10

    永野芽郁&田中圭の不倫スキャンダルをスルーするテレビ局の身勝手…ジャニーズの時の反省は?